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体力とは何か?-ケガを防ぎ、いつまでも動ける身体をつくる-③

18 時間前
読了時間: 7分

更新日:6 時間前

第3章:ケガをしにくい身体をつくるには?

5つの体力をバランスよく高めよう

ケガをしにくい身体をつくるには?の画像

第一章では、体力を5つの要素に分けて考えました。

  • パワー ― 力を発揮する能力

  • コントロール ― 身体を上手く動かす能力

  • モビリティ ― 身体を動かせる範囲

  • リカバリー ― 疲労から回復する能力

  • ハードウェア ― 身体そのものの土台


第二章では、これらの能力に対して負荷が大きすぎると、痛みやケガにつながりやすくなることを説明しました。


では逆に、

ケガをしにくく、長く動ける身体をつくるにはどうすればいいのでしょうか?

答えはシンプルです。


5つの体力を、自分の現在の能力に合わせて少しずつ高めていくことです。



① パワー

力を発揮する能力を高める

力を発揮する能力を高める画像

筋力、筋持久力、瞬発力、心肺持久力などは、身体を動かすための基本的な能力です。


これらを高めるには、

  • ウォーキング

  • ランニング

  • スクワット

  • 階段昇降

  • 筋力トレーニング

などが有効です。


ポイントは、

今できることより少しだけ負荷を上げること。


たとえば、

10分歩けるなら15分へ。

スクワット10回が楽なら12回へ。


軽い負荷に身体が慣れてから、少しずつ強くしていきます。

いきなり大きな負荷をかけるのではなく、少しずつ能力を高めていくことが大切です。



② コントロール

身体を思い通りに動かす能力を高める

身体を思い通りに動かす能力を高める画像

筋力があっても、それを上手く使えなければ身体への負担は大きくなります。


そこで必要なのが、

  • 片脚立ち

  • バランス運動

  • ステップ運動

  • スキップ

  • 軽いジャンプ

  • 左右や前後への動き

などです。


特に大切なのは、

普段あまり行わない方向へ身体を動かすこと。


高齢者なら、安全な場所での片脚立ちから。

一般の方なら、ステップ運動やスキップなど、少し不安定さのある動きを取り入れることから始めてみましょう。


身体を「強くする」だけでなく、上手く使えるようにすることも体力づくりの一つです。



③ モビリティ

必要な関節を、必要な範囲だけ動かす

必要な関節を、必要な範囲だけ動かす画像

身体は柔らかければ柔らかいほど良いわけではありません。


大切なのは、

日常生活やスポーツに必要な範囲を、スムーズに動かせることです。


たとえば、

  • 肩を大きく回す

  • 股関節を動かす

  • 足首を曲げ伸ばしする

  • 身体をひねる

  • 大きくしゃがむ

など。


動かしにくい部分がある場合は、その場所を無理なく繰り返し動かしていきます。

なお、①〜③はそれぞれ別々に鍛える必要はありません。


ラジオ体操のように、身体を大きく、いろいろな方向へ動かす運動は、

いろいろな部位を幅広く刺激できる、非常に効率の良い運動です。


「何から始めればいいか分からない」という方には、まずラジオ体操を毎日の習慣にするのも良い方法です。



④ リカバリー

鍛えるだけでなく、回復させる

鍛えるだけでなく、回復させる画像

身体は、運動中に強くなるわけではありません。

運動によって刺激を受け、

休養・睡眠・栄養によって回復する過程で身体が適応します。


そのため、

  • 十分な睡眠

  • バランスの良い食事

  • 運動後の休養

  • 疲れている日の運動量調整

  • 強い日と軽い日を作る

ことも、体力づくりには欠かせません。


「毎日頑張る」ことよりも、

疲労に合わせて負荷を調整できること

の方が大切です。


身体を強くしたいなら、鍛えることと休むことはセットで考えましょう。



⑤ ハードウェア

身体そのものを少しずつ強くする

身体そのものを少しずつ強くする画像

筋肉、腱、靱帯、骨などは、負荷を受けることで少しずつ強くなります。

ただし、これらの組織が適応するには時間が必要です。


①パワーでは「力を発揮する能力を高める」ことが目的でしたが、

⑤ハードウェアでは、

その負荷に筋肉・腱・骨などの組織そのものを慣らしていくこと

が目的です。


そのため、

身体の適応より先に運動量を増やさないこと

が重要です。


たとえば、いきなり30分走るのではなく、

10分歩く↓20分歩く↓途中に軽いランニングを入れる↓少しずつ走る時間を増やす

と段階的に進めます。


身体は刺激がなければ強くなりません。

しかし、刺激が大きすぎれば壊れます。


少し負荷をかける → 回復する → 身体が適応する


この繰り返しが、身体そのものを強くしていきます。



第二章で紹介した「ケガをしやすい行動」を逆にすると?


第二章では、ケガや障害につながりやすい特徴として、

  • 負荷を急に増やす

  • 疲れていても休まない

  • 同じ動作ばかり繰り返す

  • 筋力や持久力以上の活動をする

  • 身体が動きにくいまま運動する

  • 痛みをかばいながら続ける

などを紹介しました。


では、これをそのまま逆にしてみましょう。


ケガをしにくい身体づくりの基本は、

  • 負荷は少しずつ増やす

  • 疲れたら負荷を下げる

  • いろいろな方向へ身体を動かす

  • 筋力・持久力を少しずつ高める

  • 必要な可動域を確保する

  • 痛みが出たら身体の状態を確認する

ということになります。


難しいことではありません。

身体が適応できるペースで運動する。

これが最も大切です。



あなたはどの体力が不足している?

簡単にチェックしてみましょう。


① パワー

□ 階段や長時間の歩行ですぐに疲れる


② コントロール

□ 片脚立ちや方向転換でふらつく


③ モビリティ

□ しゃがむ、腕を上げる、身体をひねる動作がやりにくい


④ リカバリー

□ 運動や仕事の疲れが翌日まで強く残る


⑤ ハードウェア

□ 少し運動量を増やすだけで、筋肉・腱・関節などに痛みが出る


一つ当てはまるからといって、すぐに問題というわけではありません。


大切なのは、

「自分はどの能力が不足しているのか?」

を知ることです。



何から始めればいい?

全部を別々にトレーニングする必要はありません。


✅高齢者なら

ラジオ体操+ウォーキング+椅子からの立ち上がり+片脚立ち

このくらいから十分です。


まずは安全に、毎日少しでも身体を動かす習慣を作ることが大切です。


✅運動不足の方なら

早歩き+ヨガやピラティスなどのスタジオレッスン+軽い筋力トレーニング

などがおすすめです。


ヨガやピラティスは、身体をいろいろな方向へ動かしながら、

  • バランス

  • 身体のコントロール

  • モビリティ

などをまとめて刺激することができます。


また、一人ではなかなか運動が続かない方にとって、

決まった時間に通うスタジオレッスン

は、運動習慣を作るきっかけにもなります。


ただし、ヨガやピラティスだけでは、心肺持久力や十分な筋力への刺激が不足することもあります。


そのため、

ウォーキングや筋力トレーニングと組み合わせる

ことで、よりバランスの良い体力づくりになります。


✅スポーツをしている方なら


競技練習に加えて、

  • 筋力トレーニング

  • バランス運動

  • ジャンプや素早い動き

  • 必要なモビリティトレーニング

など、競技だけでは不足しやすい能力を補うことが大切です。


特に同じ競技を長く続けている人ほど、得意な動きと苦手な動きがはっきりしてきます。


競技力を高めるためにも、ケガを予防するためにも、

競技以外の能力にも目を向けること

が重要です。



大切なのは「自分に足りないもの」を知ること


体力づくりに、全員共通の正解はありません。

持久力が不足している人。

筋力が不足している人。

身体の動きが硬い人。

バランスが苦手な人。

運動量に身体の適応が追いついていない人。

人によって不足している能力は違います。


だからこそ、

得意な運動をただ繰り返すだけではなく、自分に不足している能力を補うこと

が大切です。


痛みを改善するだけでなく、

「なぜそこに負担が集中したのか」

「これから何を鍛えれば、もっと動ける身体になるのか」

まで考える。


それが、ケガを繰り返さず、年齢を重ねても動き続けられる身体づくりにつながります。


「自分はどの体力が不足しているのか分からない」という方は、一度当院で身体の状態を確認してみませんか。


原因を知ることが、ケガをしにくい身体づくりの第一歩です。

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