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野球部の走り込みは必要?ケガ予防とパフォーマンス向上の科学的な考え方

野球部が走り込みをする理由

~ケガをしない体づくりのためには~


野球選手のシルエット、ランナー

「試合ではそんなに走らないのに、なんで野球部はあんなに走り込むんだろう?」

そんな疑問を持ったことはありませんか?


確かに、野球はサッカーのように1試合10km以上走るわけではなく、塁間をダッシュする場面や守備位置の移動くらい。それでも多くの高校野球部では、冬場の“走り込み”が伝統のように行われてきました。


私は治療家として、そしてマラソンランナーとして日々体と向き合う中で、走り込みの意味を再考する必要を感じています。


⚠️ 走り込みは悪ではありません。でも、「目的のない走り込み」「やりすぎる走り込み」は、体づくりではなく“体こわし”になります。

このブログでは、ケガをしない体づくりのために「走り込みをどう考えるべきか」を、私の経験とデータをもとにお伝えします。


練習は“なぜやるか”がすべて。目的のない練習は危険です


これは走り込みに限らず、すべての練習に共通します。

練習は「量」より「質」より、まず「目的」。
  • 何のために今それをやるのか?

  • その練習は自分の体に合っているか?

  • 今のタイミングでやる意味があるのか?


この問いにYESと答えられないなら、それはただの作業。場合によっては体を壊すだけです。


目的を持たずに練習を続けてしまうと――

✅ 疲労が抜けない

✅ フォームが崩れる

✅ 同じ部分に負担が集中し、ケガにつながる


これが、いわゆる〝オーバートレーニング〟の状態です。


どれだけ才能があっても、努力家でも、オーバートレーニングに陥った瞬間、体は壊れます。


「頑張ってるのに結果が出ない」

「最近、なんか動きが重い…」

「練習してるのにケガばかり」

それ、ただの練習不足じゃなくて、“目的を見失った練習のしすぎ”かもしれません。


走り込みの意味は「高強度の練習を支える体を作ること」

野球の練習は、意外とハードです。

  • 投球・打撃・フィールディングなど“高強度”の動きが多い

  • 反復が多く、練習時間も長い

  • 夏場は暑さ・連戦との闘い


つまり、プレーの質を支える体力がなければ、練習の意味を十分に引き出せません

だからこそ、走り込みは「プレーのための基礎工事」として行われてきました。


  • 心肺機能を高め、長時間練習でもバテにくい

  • 筋肉や腱の耐久性が上がり、ケガのリスクを減らす

  • 疲労回復力が高まり、翌日の練習にスムーズにつながる


こうした〝体力の地盤づくりとしての走り込み〟には確かな意義があります。


でも「走り過ぎ」は、むしろ故障のリスクに


成長期の中高生は、ただでさえ体が大きく変化する時期。この時期に、目的や量の調整なく走り込みを課すと――


  • シンスプリント(スネの痛み)

  • オスグッド病(膝下の炎症)

  • 疲労骨折(スネ・足・腰)

といった障害が非常に起こりやすくなります。


たとえば、

  • 中学生で週50kmを超える走り込みは、疲労骨折のリスクが急増(日本臨床スポーツ医学会)

  • オスグッド病は12〜15歳での発症率が約10%(運動している子どもは非運動児の2倍)

  • 高校1年生での疲労骨折が男女とも最多(高校入学後の練習急増による)


これらのデータからも分かるように、「走れば強くなる」ではなく、「適切に走らなければ壊れる」のです。


私自身の経験:月間200km走ったら体が変わった


私はフルマラソンにも挑戦していますが、走行距離と体の耐久性には明らかな関係を感じています。


以前は月間100〜150kmほどでレースに出ていました。その頃は、レース後は足がパンパン。筋肉痛も強く、回復に1週間はかかっていました。


それが、今年の金沢マラソン。7〜11月にかけて月間180〜230kmをコンスタントに走り込んだ結果、レース後の体が驚くほど元気だったんです。


正直、「もっと追い込めたんじゃないか?」とすら思うほど。でもそれは、ようやくフルマラソンに耐えられる“走れる体”をつくれた証拠だったと思います。


野球も同じです。全力投球やフルスイングを毎日できる体を作るには、それを支える“容量の大きい体”が必要。走り込みには、その土台を作る役割があります。


治療家として見る「ケガをしやすい体の使い方」


実際、ケガや障害が多い選手には“ある共通点”があります。

それは、体幹部や股関節がうまく使えず、腕や膝下の末端で頑張りすぎていること。

専門的には「マッスルインバランス(筋の不均衡)」の状態です。


例えば、

  • 体幹が不安定で、フォームがブレる

  • 股関節が詰まり、膝や足首に負担が集中

  • 一部分だけを過剰に使う動き方が定着している


こうした体で走り込むと、たとえ“量”がそこまで多くなくてもケガに繋がります。


だからこそ大切なのは、“バランスよく走れるフォーム”を身につけたうえで、目的に応じて走ることなんです。


今の指導現場は「量より目的」に変わってきている


最近の強豪校の多くは、走り込みを「根性」ではなく「戦略」として取り入れています。


  • 横浜高校:冬は筋トレ重視、走り込みは必要最低限

  • 明石商業:走力より“増量”を優先し、筋トレ+短距離ダッシュ中心

  • 筑波大学:走り方と投球動作の連動性に注目し、技術の一部として走りを考える


どのチームも共通しているのは、「何のために走るのか」を選手にも伝えていること。

ただ苦しいだけの練習は、もう時代遅れです。目的を持った走りが、未来の体を支えてくれます。


結論:目的のある練習こそが、ケガを防ぎ強さを生む

走り込みに限らず、すべての練習は

目的のあるものだけが、成長につながります。

オーバートレーニングは「頑張った証」ではなく、「設計ミス」です。


だからこそ、自分の体としっかり向き合って、「何が足りていないのか」「今の体に合っているのか」を考えながら練習を組み立てていく。

それが、ケガをしない体、強くなれる体をつくる一番の近道です。


🔹もし「自分の場合はどうすればいいか?」

「練習量は足りてるのに調子が上がらない」「フォームが不安」などあれば、一人ひとりの体の状態に合わせてアドバイスも可能です。気になる方はお気軽にご相談ください。

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