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ケガをしたときの正しい対処法

ケガをしたら冷やすはもう古い?!

RICEからPEACE and LOVEへ


今回は、ケガをしたときの正しい対処法を解説します。PEACE and LOVEとありますが、愛とか平和とかの話ではありません。


スポーツや日常生活で起こるいわゆるケガ、打撲、捻挫、肉離れ。以前は「RICE」(安静・挙上・圧迫・冷却)が応急処置の基本とされていましたが、近年ではそれに代わりPEACE and LOVE (ピース アンド ラブ)という新しい概念が推奨されています。


これは単なる応急処置ではなく、急性期から回復期まで一貫した治癒のプロセスをカバーする考え方であり、ただ痛みを取るのではなく、ケガからいかに早く日常生活やスポーツに復帰し再発しないかを考えたアプローチになります。


応急処置RICEの説明イラスト
今までの応急処置、RICE

ケガの対処法PEACEの説明イラスト
新しい急性期の対応、PEACE

ケガの対処法LOVEの説明イラスト
新しい亜急性期以降の対応、LOVE





ケガを早く治すために知っておきたいこと


スポーツや日常生活で起こるケガの代表といえば

捻挫

肉離れ

打撲


これらのケガは、どれも最初の対応(応急処置)がとても大切です。そしてその後の機能回復(リハビリ)を丁寧に行うかどうかで、回復スピードも、再発率も大きく変わります。




ケガの種類と特徴

足首を捻る男性のイラスト

✅ 捻挫

関節に強い力が加わることで、靭帯や関節包が損傷した状態。特に足首に多く、見た目は「少し腫れてるだけ」でも、靭帯にダメージがあることが多いです。放置すると関節が不安定になり、再発しやすくなります。


✅ 肉離れ

筋肉に急な力が加わり、筋繊維が部分的に断裂してしまう状態。ふくらはぎや太もも裏に多く、「ブチッ」という音や感覚を伴うこともあります。初期にストレッチやマッサージをしてしまうと、回復が遅れることがあります。


✅ 打撲

物にぶつかることで、筋肉や皮下組織が損傷した状態。内出血や腫れ、痛みが出ます。深部までダメージが及ぶと、筋肉の柔軟性が低下し、後々のパフォーマンスに影響が出ることもあります。




なぜ応急処置が必要なのか?


ケガ直後の数時間〜数日は、体の中で「炎症反応」が起こります。これは自然な治癒のプロセスであり、体が自力で修復しようとしている証拠です。


消炎鎮痛剤を使ったり、過度なアイシングをすると必要な炎症反応まで抑えてしまい、治りが悪くなるとされています。


ただしこの炎症が強く出すぎたり、長引いたりすると、

✅ 腫れがひどくなる

✅ 痛みが強くなる

✅ 回復に時間がかかるなどの悪影響が出てきます。

だからこそ、「炎症を適度にコントロールする応急処置(PEACE)」が重要なのです。




ケガの治癒過程を知ろう

足首のテーピングのイラスト


ケガは自然に治る力を持っていますが、段階的な回復の流れを理解することがとても大切です。


①炎症期(受傷直後〜数日)

腫れや痛みが強く、炎症反応が出ている時期。この時期に無理なストレッチやマッサージは禁物。保護・安静・圧迫・挙上を行いましょう。


②修復期(受傷後数日〜2週間程度)

腫れが徐々に引き、損傷部位の修復が始まる時期。少しずつ動かす準備をし、痛みの出ない範囲で関節を動かす練習が必要です。

現在ではなるべく早期から患部に適度な負荷を掛けることにより、結果的にケガの治りを早め、患部を強化できると考えられます。


▶ ③リモデリング期(受傷後2週間以降)

組織が再生されてくる時期ですが、完全に元通りではありません。この時期に適切なリハビリをしないと、関節の可動域制限や筋力低下、再発が起こりやすくなります。

痛みが無くなってくる時期ですが、元の活動レベルに一気に復帰してしまうと、症状が再発したり、痛みが残ってしまうリスクがあります。段階的に元の生活に戻っていく必要があります。





ケガをしたときの正しい対処法

PEACE and LOVEとは?


PEACE(急性期の対応)

受傷後から3日程度の対応


患部保護:Protection

ケガをした直後は患部を守り、さらに悪化させないようにすることが最優先です。必要に応じて固定を行い、無理に動かさないようにします。


挙上:Elevation

患部を心臓より高い位置に保つことで、腫れや内出血を最小限に抑えることができます。


抗炎症を控える:Avoid anti-inflammatories

これは従来の考えとは異なるポイントです。市販されている消炎鎮痛薬や、過度なアイシングは、体が自然に治ろうとする「炎症」という大切なプロセスを妨げてしまう可能性があります。必要以上に冷やしたり、痛み止めに頼るのは控えましょう。

炎症は回復に必要な生体反応なのです。


圧迫:Compression

包帯やサポーターで適度に圧迫することで、内出血や腫れを抑え、患部の安定にもつながります


患者教育:Education

ケガをした方自身が「どんな経過で良くなっていくのか」を理解することも大切です。無理な運動や過度な安静、間違った対処を避け、段階的に回復を目指すことが、長い目で見たときの再発防止につながります。患者さん自身が能動的に自分のケガと向き合うためには必要です。




LOVE(亜急性期以降)

数日が経過してからの対応


負荷:Load

早期から“適切な負荷”をかけることが、組織の修復と強化につながります。もちろん、負荷のかけ方には段階が必要ですが、安静にしすぎることで回復が遅れることもあるのです。


ポジティブ思考:Optimism

病は気からという言葉があるように、「治る」と信じることも治療の一部です。ポジティブな気持ちは痛みの感受性を和らげ、回復を早めてくれることが科学的にもわかっています。


血行改善:Vascularization

軽い有酸素運動などで全身の血流を良くすることで、回復を早める効果が期待できます。じっとしているよりも、可能な範囲で体を動かすことがポイントです。


エクササイズ:Exercise

痛みが落ち着いてからは、関節や筋肉を再びうまく使えるようにリハビリを行いましょう。ストレッチ、筋力トレーニング、バランス練習などを通して、再発を防ぎ、元の動作に戻すことが重要です。




応急処置だけで終わっていませんか?

「腫れが引いたから治った」

「痛くないからもう大丈夫」

……本当にそうでしょうか?


実際には、関節が不安定なままだったり、筋肉の柔軟性や筋力が低下していたりと、見えない“機能の低下”が残っていることが多いのです。


当院では、「痛みを取る」だけでなく、「再発しない体に戻す」ことまでを施術のゴールとしています。





まとめ


  • ケガは初期対応(PEACE)回復期のリハビリ(LOVE)がセット

  • 捻挫・肉離れ・打撲、それぞれに適切な対処が必要

  • ケガの治癒には段階があり、それぞれの時期に合ったケアが必要

  • 痛みが消えた=完治ではない! 機能の回復が重要



ケガのご相談はお気軽にどうぞ

むつみ接骨院では、ケガの状態に応じた適切な応急処置と、再発を防ぐためのリハビリを丁寧に行っています。

「少しひねっただけ」「軽くぶつけただけ」と思っていても、放っておくと長引く原因になることもあります。捻挫・肉離れ・打撲などのケガは、早めの対応が早期回復への近道です。

ケガをされた方は、できれば24時間以内に処置を受けたほうが良いと思います。


ケガをして放置してしまって、症状が残っている方も、完全には治らないかもしれませんが、できる限りのことは致します。


気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。


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