【暑熱順化のススメ】夏バテも熱中症も防ぐ!「夏に順応した身体づくり」
- 院長 大澤慎吾

- 8月5日
- 読了時間: 5分
こんにちは、むつみ接骨院の院長の大澤です。
毎年夏になると、「なんだか体がだるい…」「食欲が出ない…」「少し動いただけで息が切れる…」といったお悩みを聞くことが増えてきます。
その症状、暑さに慣れていない状態が原因かもしれません。
本記事では、
💡 暑熱順化とは何か?
💡 なぜそれが夏バテ・熱中症対策になるのか?
💡 どうすれば安全に体を慣らせるのか?
をわかりやすく解説していきます!

暑熱順化は「夏バテ」と「熱中症」の両方を防ぐ!
まず結論です。
暑熱順化は、夏バテと熱中症の両方を防ぐために、最も大切な備えです。
その理由をわかりやすく順を追ってご説明します。
① 人間の体はどうやって体温を調節しているの?
人は「恒温動物」です。外の気温に関係なく、体温を一定に保つしくみ(体温調節機能)が備わっています。
特に暑いときには次の2つの方法で体温を下げようとします
皮膚の血管を広げて熱を逃がす
汗をかき、その汗が蒸発するときに熱を奪う
この中でも、汗をかくことが特に重要な冷却手段になります。ただし、汗をうまくかけるようになるには「慣れ」が必要なんです。
② 暑熱順化とは?汗と血液が変わる!
暑熱順化(しょねつじゅんか)とは、体が暑さに慣れて、効率よく体温を調整できるようになる生理的な適応反応です。

暑熱順化が進むと…
✅ 汗を早く・たくさんかけるようになる
✅ 汗の質が良くなる(ミネラルが抜けにくい)
✅ 血液がサラサラになって流れやすくなる
✅ 体温が上がりにくくなり、疲れにくくなる
つまり、「暑くてもバテない・倒れない身体」になる準備が整うのです。
③ 汗をかけないと危ない!発汗の重要性
汗をかけない体では、体内に熱がこもりやすくなり、心臓に負担がかかって、熱中症のリスクや、夏バテの原因になります。
また、長時間エアコンの聞いた部屋で過ごしたり、冷たい飲み物、食べ物を多く口にしていると…
発汗機能が鈍くなる
血流が悪くなる
内臓が冷えて自律神経が乱れる
→ 結果的に「暑さに弱い身体」に
だからこそ、「良い汗をかける体」をつくることが重要です。
④ 心拍ドリフト、暑いと疲れやすくなる理由
暑さの中で運動をしていると、「同じ運動を続けているだけで、どんどん心拍数が上がってしまう」ことがあります。これを心拍ドリフトと呼びます。これは暑い中運動をする人は知っておいたほうがいい情報です。
心拍ドリフトの起こる原因は、
発汗で水分が失われる
血液中の水分量が減り、血液がドロドロになる
心臓が血液を送ろうと頑張って心拍が上がる
熱がこもりやすく、疲労感がどんどん強くなる
つまり、暑さ+脱水状態はパフォーマンスを低下させ、危険を高めるのです。
心拍ドリフトを抑えるには、暑熱順化とこまめな水分補給・休憩が欠かせません。
⑤ 暑熱順化は「夏バテ対策」にもなる!
夏バテとは、自律神経の乱れや消化機能の低下による慢性的な体調不良です。
暑熱順化ができていないと…
寝つきが悪い
食欲が出ない
だるさや頭痛が続く
などの症状が起こりやすくなります。

逆に、暑熱順化が進んだ体では、
✅ 発汗がスムーズで体温調節が安定
✅ 血流・代謝が整い、胃腸の働きも良くなる
✅ 自律神経も安定して、心身が疲れにくくなる
つまり、暑熱順化をすることにより「夏を快適に過ごせる体」をつくれます!
⑥ 暑熱順化は「熱中症対策」にも直結!
暑熱順化が進むと、
✅ 体に熱がこもりにくくなる
✅ 心拍数の上昇が抑えられる
✅ 汗で失う塩分も少なくなる
これらはすべて、熱中症を防ぐための「身体の備え」になります。
さらに
✅ 水分補給をこまめにする
✅ 日陰や休憩をうまく取り入れる
✅ 無理な運動を避ける
といった行動面の対策と組み合わせることで、熱中症のリスクを大きく下げることが可能です。
暑熱順化の方法:夏に順応した身体づくり
無理なく、日常に取り入れられる順化法を以下にご紹介します

☑️ 基本の考え方
暑い環境で「軽く汗をかく」ことを少しずつ習慣化する
急にキツい運動や長時間の炎天下はNG(危険)
日常生活の中でできる暑熱順化
湯船につかる(40℃前後で10〜15分) → 体温を適度に上げて、軽く汗をかく練習に◎
エアコンを控えめに(室温28℃程度で慣らす) → いきなり我慢せず、「少し暑い」くらいに慣れる
冷たい飲食を摂りすぎない → 内臓の冷えを防ぎ、自律神経の乱れを予防
軽い屋外活動(朝か夕方の涼しい時間) → 10〜30分のウォーキング・軽いジョギングなど → 毎日続けることで汗が出やすい体に!
運動による暑熱順化(安全第一)
気温が高すぎない時間帯に運動(朝・夕) → 直射日光を避け、日陰を活用
最初の数日は10〜20分の軽めの運動 → 徐々に時間や負荷を増やしていく(7〜10日が目安)
30分ごとの水分補給を必ず行う → 塩分入りのドリンクも効果的(経口補水液やスポドリなど)
無理をしない!異変を感じたら即中止&休憩 → めまい・吐き気・異常な疲労感は「危険信号」です
🚫 避けるべきこと
サウナスーツを着ての過剰な発汗(危険です)
気温35℃以上の時間帯での運動
水分を取らずに汗をかく行為
「我慢して暑さに慣れる」ような無理な挑戦
🕒 いつ始めればいい?
本格的な暑さが来る2〜3週間前からが理想的
でも、今からでも遅くありません! → 毎日の積み重ねが「汗をかける体」をつくります
まとめ
暑熱順化とは、「汗をかける体」「血液が流れやすい体」をつくること。それによって、夏バテも熱中症も防げる身体になります。
これから本格的な夏を迎える前に、
湯船につかる
朝夕の散歩で軽く汗をかく
冷たいものを摂りすぎない
といった、日常の中でできる準備から始めてみましょう。
「夏に順応した身体づくり」で、今年の夏を元気に乗り越えていきましょう!
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