むつみ接骨院の猫背矯正①
- 院長 大澤慎吾

- 2月25日
- 読了時間: 6分
更新日:3月21日
上位交差性症候群とは?

(1)むつみ接骨院の猫背矯正
まず初めにお伝えしますが、当院には「猫背矯正」という施術メニューはありません。
ですが、ちょっと待ってください! この記事では、猫背やストレートネックといった不良姿勢の本質、それが引き起こす問題、そして改善方法について詳しく解説していきます。
✅こんな症状でお悩みではありませんか?
長時間座ることが多く、肩こりや首こり、手のしびれ、慢性的な腰痛がある
他人から姿勢が悪いと言われたり、鏡に映る自分の姿勢が気になる
頻繁に頭痛がある、呼吸がしづらい、睡眠の質が悪いなど、自律神経の乱れを感じる
首や腰のヘルニア、五十肩、テニス肘、腱鞘炎などの症状に悩んでいる
このような症状でお悩みがある方の少しでもお役に立てる内容になっておりますので最後まで読んでいただければ幸いです。
(2)猫背の原因
猫背やストレートネックなどの不良姿勢の原因の一つに考えられるのは、普段の体の使い方や姿勢などによって、使われている筋肉と使われていない筋肉の差が生まれ、それにより身体の筋肉のバランスが崩れてしまうということです。

具体的には次のようなことが考えられます。
日常的に猫背を引き起こす不良姿勢・動作
① デスクワーク・パソコン作業
背中を丸めて画面を見る(頭が前に出る、首や肩が緊張する)
キーボードを打つときに肩がすくむ(肩甲骨が前に傾く)
椅子の背もたれに寄りかかって骨盤が後傾(腰が丸まり、背中が曲がる)
② スマホ・タブレットの使用
画面を覗き込むように首を前に突き出す(ストレートネックになりやすい)
長時間下を向いたまま操作(首・肩・背中の筋肉が緊張)
ソファやベッドでスマホを見る(猫背+骨盤後傾)
③ 日常の動作や姿勢のクセ
胸が張れずうつむきながら立ってしまう(背中が丸まりやすい)
立っている時に膝が曲がってしまう(骨盤が後傾し、背中が丸まる)
長時間同じ姿勢で座り続けるor立ち続ける(筋肉が固まり、動かしにくくなる)
長時間運転することが多い(長時間骨盤後傾)
④ 運動不足・筋力低下
体幹部の筋力低下(体幹が弱くなり、正しい姿勢を維持できない)
肩甲骨、胸郭の柔軟性低下(肩が前に巻き込みやすくなる)
股関節の柔軟性低下(骨盤の傾きが猫背に影響)
このようなことが原因となって、過剰に緊張して短縮する筋肉と弱くなって機能低下する筋肉が発生して身体の筋肉のバランスを崩してしまいます。この状態が長期間続くと、体の痛みやシビレ、頭痛などの体調不良の症状が出現します、これを専門的な言葉で表すと
「上位交差性症候群」
(じょういこうさせいしょうこうぐん)
といいます。これが猫背の本質的な原因になります。
(3)上位交差性症候群とは?
聞きなれない、難しい言葉が出てきて読むのを止めたくなった方もいるかもしれませんが、簡単に言うと「上半身の筋肉のバランスが崩れて、何かしらの症状が体の出ている状態」です。本質的な猫背改善に必要な上位交差性症候群の説明をしますのでもう少しお読みください。

上の図は上位交差性症候群の筋肉のバランスを表しています。
赤い部位が緊張して硬くなっている部位
首の後から肩の上まで(後頭下筋群、上部僧帽筋、肩甲挙筋)
胸の前(大胸筋・小胸筋)
青い部位が弱くなって機能低下している部位
首の前側(頸椎屈筋群)
背中(菱形筋・下部僧帽筋・前鋸筋)
図を見ると緊張している部位と弱くなっている部位が交差しているのがわかると思います。
なので、上位交差性症候群(Upper Crossed Syndrome)と呼ばれています。
(4)上位交差性症候群の姿勢の特徴と症状
①姿勢の特徴
上位交差性症候群は首や肩、胸周りの筋バランスの崩れによって不良姿勢が生じます。
典型的な姿勢の特徴は以下の通りです。
✅ 頭部前方位(ストレートネック)
→ 頭が前に突き出る(首の負担増)
✅ 顎が上がる(ストレートネック)
→ 後頭下筋が過剰に緊張、首の後ろが詰まる
✅ 肩が内巻き(巻き肩)
→ 大胸筋が硬くなり、肩が前に入る
✅ 肩甲骨が外に開く(巻き肩、猫背)
→ 背中が丸まり、肩甲骨が正しい位置に収まらない
✅ 胸椎の後弯(猫背)
→ 背中が丸まり、呼吸が浅くなる
② 引き起こされる症状
不良姿勢によって引き起こされる症状としては以下のものが考えられます。

💥 筋肉の緊張による症状
首こり・肩こり(僧帽筋上部や後頭下筋の緊張)
頭痛(後頭下筋の硬さが原因で緊張性頭痛や片頭痛を引き起こす)
肩甲骨周囲の痛み(僧帽筋中部・下部、菱形筋の機能低下)
💥 神経・血流の影響による症状
腕や手のしびれ(胸郭出口症候群に似た症状)
眼精疲労(首や後頭部の血流が悪化)
めまい・耳鳴り(自律神経の影響)
💥 呼吸・姿勢の悪化による症状
呼吸が浅くなる(胸が圧迫され、肋骨の動きが制限)
猫背の悪化(さらに姿勢が悪くなり、慢性的な疲労感)
腰痛(背中が丸くなることで骨盤の傾きにも影響)
さらに、不良姿勢が長期化して胸郭や肩甲帯の柔軟性が低下することで、腕をスムーズに動かせなくなり、その結果として肩関節や肘、手首に余計な負担がかかり以下の症状が引き起こされます。

💥五十肩(肩関節周囲炎)
肩甲帯の動きが悪くなることで、本来なら肩甲骨がスムーズに動いて分散されるはずの負荷が、肩関節単独で受け止めることになり、炎症や可動域制限を引き起こす。
大胸筋や僧帽筋上部の過緊張が影響し、腕を挙げる動作に制限がかかりやすい。
💥テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
胸郭や肩甲骨の安定性が低下し、腕だけで動作を行うことで、前腕の筋肉(特に手首を挙げる筋肉)に過剰な負荷がかかる。
特に、肩甲骨が正しい位置にないと、肘や手首の使い方が悪くなり、慢性的な負担がかかる。
💥腱鞘炎・手首の痛み
上腕から手指までの筋肉に無理な負担がかかることで、前腕の筋肉が過緊張し、腱鞘炎や手首の痛みを引き起こす。
このように、猫背(上位交差性症候群)は様々な症状の原因になります。なので、痛みが出ている部位や凝り固まっている部位に湿布を張ったり、もみほぐしたりするだけでは一時しのぎにしかなりません。お困りの症状がなかなか治らない方や再発を繰り返してしまう方が根本的に改善をしたいなら、筋肉のバランスを整え、猫背などの不良姿勢の改善をしなければなりません。
長くなってしまったので改善方法は「むつみ接骨院の猫背矯正②」で書こうと思いますので、是非お読みになって、不良姿勢改善にお役立てください。
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